太地町では、住民が健康でありたいと願い行動する町づくりを進めています。その一環として、高い濃度の水銀を蓄積している鯨を食することによる健康への影響について、国立水俣病総合研究センターに依頼し、調査を実施しました。(調査期間:平成21年度から31年度)

調査にご協力いただきました皆様、ありがとうございました。

調査結果

成人(大人)の調査結果

メチル水銀による明らかな健康影響は認められませんでした。

  • 平成21年度から23年度まで、和歌山県立医科大学附属病院の協力も得て、調査を実施しました。
  • 大人の調査では、メチル水銀曝露による神経症候もメチル水銀中毒の可能性を疑う者も認められませんでした。このことからメチル水銀による明らかな健康影響は認められなかったことが、確認されました。

胎児・小児の調査結果

メチル水銀による明らかな健康影響は認められませんでした。

  • 平成24年度から29年度まで、小学1年生を対象に、秋田大学、東北大学、同志社大学、仁愛女子短期大学の協力も得て、調査を実施しました。
  • 小児の調査では、メチル水銀曝露により小児発達に大きな影響を及ぼしていなかったことから、メチル水銀による明らかな健康影響は認められなかったことが確認されました。
  • 鯨や魚介類に含まれるDHA(脳の働きを活性化させる不飽和脂肪酸)の影響は小児に受けやすく、メチル水銀の影響は胎児期に受けやすいことが考えられました。

鯨に含まれてる水銀の調査結果

鯨に含まれている水銀は、ほとんどが毒性のない水銀であることがわかりました。

  • 鯨の筋肉及び臓器の水銀分析を行いました。
  • 鯨は高い濃度の水銀を蓄積していますが、その水銀のほとんどがセレンと結合した毒性のないセレン化水銀であることがわかりました。
    ※セレンとは:魚介類や肉類に多く含まれる、人間の生命維持に必要な元素

 調査で確認できたこと

  1. 鯨は高い濃度の水銀を蓄積していますが、その水銀のほとんどが、毒性のない水銀であることがわかりました。
  2. 大人の調査においても、小児の調査においても、水銀による明らかな健康影響は、認められませんでした。
  3. 妊娠中以外は、鯨を食することを特に制限する必要はなく、むしろ鯨や魚介類をバランスよく食べることにより、DHAのいい影響(小児の発達にいい影響)を受けることが考えられました。

資料

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太地町役場 総務課 TEL 0735-59-2335